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コラム

ワークライフバランスの個別性に対応する:学術研究からの検討(セミナーレポート)

コラム

ビジネスリサーチラボは、20249月にセミナー「ワークライフバランスの個別性に対応する:学術研究からの検討」を開催しました。

現代のキャリア形成において、ワークライフバランスは欠かせないテーマですが、その支援策を考えるうえで、理想と課題が個々の事情によって異なることを忘れてはなりません。本セミナーでは、ワークライフバランスの実現にむけ、個別での対応の必要性に関わる要因を取り上げます。また、なぜその要因がどのような影響をもたらすのかというメカニズムを、学術研究を交えて解説します。

※本レポートはセミナーの内容を基に編集・再構成したものです。

ワークライフバランスの要点

注目されるようになった背景と捉え方

最初のパートでは、ワークライフバランスの個別性について考える前に、その前提となる主要な検討点を整理し、押さえておきたいと思います。ワークライフバランスを実現するためには、非常に多くの要因が関わってきます。そのため、個別対応を実現するために考えるべきポイントを整理します。

まず「ワークライフバランス」と言っても、その「バランス」が具体的に何を指しているのかを確認したいと思います。研究や実務の背景に関わるとしては、もともと「アンバランス」が問題視されており、「アンバランス」からの脱却がワークライフバランスの議論の出発点といえます。

例えば、1990年代頃からこの問題が特に取り上げられるようになりましたが、この頃は労働市場の大きな変化が見られていました。具体的には、女性の社会進出が進んだことや、共働き世帯の増加、さらにはシングルペアレントの増加などが挙げられます。

もう一つの大きな変化は、通信技術の発展です。最近では、SNSやクラウドサービスの普及、それ以前では、電子メールの発達を通じて、仕事と私生活の境界が曖昧になったことで、仕事と生活のバランスが取りづらくなったことが、ワークライフバランス議論の背景です。

こうした背景を経て、現在ではワークライフバランスを捉えるうえで、主に3つの視点が挙げられます。一つ目は、「仕事と生活がそれぞれ葛藤なく満足できる状態かどうか」という視点です。これは、仕事が生活に支障を与えていないか、あるいは、生活が仕事に悪影響を及ぼしていないかを確認するものです。例えば、仕事でのストレスが家庭生活に影響を与える場合や、家庭の問題で仕事に集中できないという場合があります。このように、仕事と生活のどちらにも葛藤が生じていない状態が、バランスが取れていると見なされます。

二つ目は、「仕事と生活が互いの質を高め合っているかどうか」という視点です。ここでは、仕事が充実していることで生活が豊かになり、また生活が充実していることで仕事にも良い影響を与えるかどうかを考えます。例えば、仕事での達成感が家庭での満足感につながり、また、家庭での充実感が仕事での意欲を高めるような状況がよいと捉えるのです。

三つ目は、「仕事と生活が人生の役割として適切に機能しているかどうか」という視点です。個人の感じ方や価値観として、仕事と生活のそれぞれが人生を豊かにする役割を果たしているかどうかを問うものです。つまり、自分の人生の中で、どちらか一方が不足している、あるいは過剰ではないかを考慮しながら、どのようにそれぞれの役割を捉えているかが重要されます。

これらの3つの捉え方に基づいて、ワークライフバランスを評価することができます。研究間で捉え方の違いはあるものの、いずれの場合も、ワークライフバランスが取れていることは、個人にメリットをもたらすと指摘しています。

まず、「幸福感の向上」です。これは、家族としての満足度、自身の心理的・身体的な健康、そして人生全体での満足度が向上する形で報告されています。また、「業務パフォーマンスの向上」にもつながると指摘されています。ワークライフバランスがうまく取れていると、生活から仕事への支障が少なく、家庭生活の充実が仕事へのモチベーションにもつながるため、業務の効率が上がることが確認されています。

企業が従業員のワークライフバランスを支援する意義

こうした背景を踏まえつつ、従業員のワークライフバランスの実現を企業側が支援することの意義を紹介します。まず一つ目に、従業員のパフォーマンス向上につながるという点です。ワークライフバランスの支援は、従業員側のメリットだけでなく、業務効率や成果が向上するという企業側にもメリットをもたらします。

二つ目は、従業員のコミットメントが高まるという点です。これは、福利厚生全体の研究からも明らかになっていることですが、企業が従業員のニーズにしっかり応えることで、従業員の企業に対する忠誠心や在籍意欲が高まり、結果として企業へのコミットメントが強くなることが確認されています。

三つ目は、ワークライフバランスの実現は、従業員の個人的な問題とは限らないという点です。従業員個人のワークライフバランスとはいえ、実際には組織の要因も関連しているのです。このことは、従業員がワークライフバランスを考えるきっかけとなる要因についての研究から指摘されています。

まず個人要因として、年齢に伴う変化が挙げられます。年齢を重ねることでライフステージが変わり、例えば結婚や昇進、子供の誕生などのライフイベントが発生します。こうしたイベントが、ワークライフバランスを見直すきっかけとなることがあります。

次に、労働条件の変化です。昇進、異動、定年退職などの変化も、仕事と生活のバランスを見直すきっかけとなることがあります。

また、技術革新の影響もあります。技術の進展、例えばAIや自動化の導入により、仕事の進め方が大きく変わり、これもワークライフバランスを見直すきっかけになるでしょう。

最後に、「マネジメントの質」も重要です。上司との関係や、従業員にどれだけ裁量が与えられているかといったマネジメントの質が、ワークライフバランスに影響を与える可能性があります。

これらの要因により、どの従業員にもワークライフバランスを考えるきっかけが訪れる可能性があります。このことは、組織や経営的な要因が関わるという点で、企業による支援が重要というだけでなく、その支援によって企業側にもたらされる潜在的なメリットが大きいことも示しています。

「個別性」に関わる要因

ライフステージごとの違い:支援の必要性が変わる

続いてパートでは、本題として、ワークライフバランスの個別性について確認していきます。先ほど述べた通り、全ての従業員が同じ悩みを持つわけではなく、それぞれ異なる状況に直面しています。それが施策の有効性に影響を与えるため、どのような個別性が、どのような要因で生まれているのかを紹介していきます。

一つ目の話題は、ライフステージごとの意識の違いです。この点では、まず年齢に注目しています。年齢は、生物的な変化や職場での経験、家庭内の変化など、さまざまな要素を反映しています。例えば、年齢を重ねるにつれて、体力面での負担が増えたり、家庭での責任が変わるという具合です。これにより、仕事への向き合い方やワークライフバランスへの意識も変わってくるのです。

ある研究アプローチでは、年齢に基づいてキャリアの段階を仮定しています。具体的には、次の4つの段階です。

  • 初期(1829歳) :組織内でのキャリアの萌芽期
  • 発展(3039歳) :組織内の成果・地位を獲得する段階
  • 定着(4049歳) :一定の成果・地位を獲得した段階
  • 定年前(50歳以上) :組織を離れることを意識する段階

この4つの段階を仮定したうえで、ワークライフバランスに対する考え方やその影響の受け方が、段階間で異なるのです。そこで、実際にどのような違いがあるのかを掘り下げていきます。

まず、仕事への強い関与からの影響が異なります。具体的には、キャリアの定着期や定年前期に、仕事への強い関与によってワークライフバランスを崩しやすくなることが確認されています。素朴に考えると、キャリアを重ねることでノウハウを積み重ね、ワークライフバランスも実現できるように予想されます。しかし実際には、キャリアの終わりにかけて、今後どのように仕事と向き合うべきか悩みが生まれ、ワークライフバランスにも影響をすることが確認されています。

次に、上司のサポートがワークライフバランスに与える影響が異なります。具体的には、キャリアの初期段階や定年前期では、上司からのサポートが特に効果的であることが確認されています。言い換えると、キャリアの無い段階や、今後新たなキャリアを歩み始める段階というキャリアの移行期には、上司によるサポートの重要性が高まるといえます。

最後に、「キャリア形成における憂慮」です。具体的には、キャリアの初期段階と発展段階では、ワークライフバランスの支援制度を使うことが、職場での評価にマイナスに影響するのではないか、という不安が強くなります。つまり、職場から「仕事よりも生活を優先している」とみなされることを恐れて制度を利用しづらくなり、結果的にバランスが崩れてしまうことがあるのです。

単身者と既婚者の違い:支援の有効性が異なる

二つ目の話題は、単身者と既婚者の違いです。端的に言うと、単身者と、既婚者もしくはパートナーがいる方とでは、効果的なワークライフバランスの支援が異なります。

支援の有効性を検討するために、ワークライフバランスの支援策によって業務のパフォーマンスが向上するかどうかを確認する研究が行われました。具体的には、柔軟な働き方の支援によって、自分自身の仕事のパフォーマンスや職場の同僚のフォローが向上したかを確認しています。

結果として、単身の従業員に対しては、フレックス勤務やテレワークなどの支援を提供することで、業務のパフォーマンスが向上することが確認されました。一方で、子どものいない既婚者の場合、フレックス勤務のみが有効であり、子どもがいる場合はフレックス勤務やテレワークはどちらも業務パフォーマンスを向上させる効果が見られませんでした。

このような差が生じた理由は、パフォーマンスの向上メカニズムが関連していると考えています。そのメカニズムとは、ワークライフバランスの実現により、生活から仕事に対して三つの資源が提供されるということです。

一つ目は、心理的な資源です。生活が充実することで、仕事への意欲や活力が生まれるということです。二つ目は、技術的な資源です。生活の中で得た知識や経験が、職場でも活かされるということです。三つ目は、社会的な資源です。これは、言い換えると「人脈」です。生活の中で築かれた人間関係が、仕事に役立つことがあるということです。こうした資源がワークライフバランスの向上を通じて得られ、その結果として仕事のパフォーマンスが高まるのです。

単身者と既婚者の間にみられた違いは、上記の資源を得られるかどうか、という視点で整理されます。まず単身者は、働き方の柔軟性が資源の獲得に繋がりやすいと考えられます。柔軟な働き方ができれば、休息をしっかり取ることや、さまざまなことに挑戦するといったことも可能になります。そのため、働き方の柔軟性を高める支援によって、仕事のパフォーマンスが向上する効果を得やすいと考えられます。

一方、既婚者の場合は働き方の柔軟性が高まっても、得られる資源が限られる可能性があります。具体的には、家族へのケアが必要であり、特に子どもの世話は突発的なケアも必要になります。そのため、柔軟な働き方の実現およびその支援が、資源の獲得に直接的につながるわけではなく、パフォーマンスも向上しづらいのです。

共働き世帯研究からの示唆:仕事と家庭における役割が必要な支援を変える

三つ目の話題は、共働き世帯に注目することで見えてくる、ワークライフバランス支援へのヒントです。背景として、日本の共働き世帯は2022年時点で1262万世帯あり、「男性雇用者と無業の妻」の世帯数(539万世帯)の倍以上にのぼります[1]。こうした実態に対して、そのニーズに応えるように、共働き世帯を対象としたワークライフバランスの研究も多くなっています。

まず、共働き世帯の実態を調査した研究結果では、家庭から仕事に良い影響を与えるケースが多いことが確認されています。一般的に、共働きは負担が大きく、仕事に悪影響を与えると考えられがちです。実際には、確かに負担も確認されたものの、良い影響を及ぼすことが多いという結果でした。

ただし、家庭から仕事に与える良い影響の強さには、グループごとに差が見られました。この差に影響した要因や、共働き世帯にも有効であった支援を紹介します。

一つ目は、「心身の健康」です。自分が健康だと感じている人や、抑うつ傾向が低い人ほど、家庭から仕事に良い影響を受けやすいことがわかりました。さらに、ワークライフバランスと健康は相互に影響し合っており、ワークライフバランスが高まると健康も良くなり、健康が良いとワークライフバランスも向上するということが確認されています。

二つ目は、「家族支援に対する組織の文化」です。仕事と家庭の両立を前向きに支援する職場環境にある従業員は、パフォーマンスが高いという結果が確認されています。具体的には、仕事の負担を調整したり、役職の配置換えといった配慮が、従業員のパフォーマンス向上に繋がっていました。

三つ目は、「男女」間で見られる違いです[2]。これは背景として、共働き世帯が増えた現在も、家庭や職場における男女の役割分担が残っていることが影響しています。例えば、家事や育児の負担は現在でも妻が多く担っているというデータがあります。つまり、仕事や家庭における性別による役割の違いが、ワークライフバランスに影響を与える要因として確認されています。

男性からは、家族の幸福に貢献することが仕事への良い影響に繋がる傾向が見られました。具体的には、男性側の時間的な柔軟性が高い、子供が1人以上いる場合に、男性は生活から仕事に対する影響を受けやすいという結果です。さらに、パートナーの満足度が仕事のパフォーマンスに影響しやすいことも確認されました。このことから、家族の幸福を高めることを支援する、という施策のヒントが得られます。

一方で女性からは、家庭を充実させる負担を軽くすることが、仕事への良い影響に繋がる傾向が見られました。背景として、女性の方が男性に比べて、家庭のために仕事を制限する必要があることが多く、そのことが葛藤を生じさせる傾向があります。加えて、家族からのソーシャルサポート(社会的支援)の有効性が、男性よりも強く表れるという結果も得られています。これらの結果からは、家庭での負担を減らすことを支援する、という施策が重要であることが示されているといえるでしょう。

個別性を踏まえた支援に向けた注意点

個別性の見落とし

最後のパートでは、施策を検討する際の注意すべきポイントをまとめていきます。今回取り上げた要因からの改善点やヒントがみられますが、コストの観点などからみても、すべてを実現するのは難しいのが現実です。そこで、どの要因にも共通するという点で、優先して確認するとよいチェックポイントを紹介していきます。

最初のポイントは、支援を提供する側のヒューマンエラーとして、ワークライフバランスの個別性を見落としている可能性です。つまり、従業員に個別の状況・理想・ニーズがあることを見落としてしまい、画一的な対応が継続してしまうということです。

具体例の1つとして、キャリアの後半に差し掛かる人たちのワークライフバランス支援が見落とされることを紹介しました。また、単身者への支援も見落とされる傾向があります。実際に、単身者は家庭がある従業員に比べて「生活の融通を利かせやすい」と判断され、仕事の負担が重くなるケースが確認されています。

これらの事例からもわかるように、実際の対応以前に、個別の状況の違いを意識するという準備段階が十分でない可能性があります。そのため、個別対応の必要性を改めて確認し、そのうえで制度や支援の改善を行うことが重要です。

制度の周知不足

ヒューマンエラーとしてはもう一つ、「制度の周知不足」というリスクもあります。盲点ともいえる問題ですが、既に整備してある支援制度について、その存在や利用方法を従業員が十分に把握していない場合があります。

こうした実態は、ワークライフバランスの支援に限らない、福利厚生全体に関する調査から報告されました。新型コロナのパンデミック時、従業員の福利厚生に対する関心が非常に高まったことから、各社の実態調査も盛んになりました。その調査の1つでは、回答者の約4割が、利用できる福利厚生について「説明を受けていない」と回答しており、制度の存在を十分に知らないという実態が明らかになったのです。

言い換えると、会社が従業員のために支援制度を整備していたとしても、それを知らないがために利用されていない可能性があることを示しています。こうした状況は、ワークライフバランスの支援においても同様です。そこで、支援制度や窓口の存在を従業員にしっかり周知することが重要です。

自己開示しやすい環境の整備

最後に紹介するポイントは、自己開示しやすい環境になっているかどうかです。自己開示とは、他人に対して、自分自身の状況をありのままに伝えることです。まず、自己開示が重要である理由について、背景を説明します。

既に紹介したように、働き方に柔軟性を持たせる支援は、既婚者に対して十分ではないことが指摘されています。一方、既婚者には職場で家庭を支援する文化が有効であると説明しましたが、実は、単身者にはこうした文化が効果的ではなかったことも確認されています。このことは、上述のように、単身者は家庭のある従業員と対比されることで、時間やタスクの配分について不公平を被るという実態が表れていると予想されます。

これらの背景を踏まえると、制度やマネジメントのいずれかに偏ることは適切ではないといえます。つまり、どちらか一方の対応だけでは限界があるため、個々の事情に合った最善の対応を模索することが求められます。

ここで重要なのが「自己開示」です。なぜなら、個別の状況に応じた最善策を模索するためには、各個人の事情を伝えて貰う必要があるためです。しかし実際には、従業員は自分の状態を「会社に正直に伝えづらい」と感じる環境が存在しています。例えば、研究で確認された実態として、自分の精神的な健康状態や、家庭を優先したいという希望を会社に相談しにくいといったケースです。

これらの課題に対処するため、たとえばマネージャーが、部下と信頼関係を構築することが一つの方法です。信頼関係ができていれば、従業員も話しづらい事情を伝えやすくなります。また、部署全体での取り組みとして、「弱さ」が認められる風土を作ることが挙げられます。例えば、自分の精神的な健康状態を伝えた際に、それが評価や仕事の進捗に悪影響を与えるのではないかという不安があると、自己開示が難しくなります。そのため、弱さを認め、それが評価に影響しない環境を整えることが大切です[3]

Q&A

Q:「仕事より生活が大切」という考えが広まっている背景は今回の内容とどう関連するか

ワークインライフという言葉が生まれているように、生活を重視する考え方は実際に広がっており、このことは研究の中でも確認されています。例えば、新型コロナウイルスのパンデミックを契機に、仕事と生活を対等と見なす「ワークライフバランスの取りやすさ」よりも、生活を優先するような「福利厚生の充実」を、職場に求めるようになったという報告があります。

本日お話しした中では、ワークライフバランスの捉え方の1つとして整合します。具体的には、自分の人生設計の中で、生活と仕事が適切な役割や配分となっているかを考えるアプローチです。つまり、個人の価値観が違うことを踏まえつつ、そのうえでバランスが取れていることの効果や、そのバランスの実現を促進する効果を検討した研究知見が、ご指摘の背景と整合しているといえるでしょう。

Q:介護とワークライフバランスの関連について提案はあるか

介護に独自の特徴は、主に2つ確認されています。一つ目は、被介護者の状態が影響することです。被介護者がどの程度の支援を必要としているかによって、介護者である従業員が取るべきフォローが変わるため、その点によって個別性が生まれます。たとえば、要介護状態区分を参考に提供する支援の内容を調整するといった対応が考えられます。

二つ目は、インフォーマルな支援の重要性です。介護休暇など会社が公式に用意している支援はもちろん大切ですが、同僚や上司からの声掛けなど、非公式な支援が効果を発揮します。例えば、介護を担当している従業員の仕事を同僚がフォローしたり、仕事以外の場面で気遣うといった対応が大きな助けになります。この点を企業側の対応に応用することは容易ではありませんが、例えば、当事者の許可を取れればマネージャーへ周知し、精神的な支えになることを求めることができます。

脚注

[1] 厚生労働省(2023) 令和5年版 厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会- (URLhttps://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/backdata/02-01-01-03.html

[2] 調査では「回答しない」を含む回答者自身の性自認によって分類がなされています

[3] 自己開示をどう進めるか、および、職場において「弱さ」を見せることの重要性については、当社の以下のコラムでも詳しく紹介しています。適宜参照ください;


登壇者

黒住 嶺 株式会社ビジネスリサーチラボ フェロー

学習院大学文学部卒業、学習院大学人文科学研究科修士課程修了、筑波大学人間総合科学研究科心理学専攻博士後期課程満期退学。修士(心理学)。日常生活の素朴な疑問や誰しも経験しうる悩みを、学術的なアプローチで検証・解決することに関心があり、自身も幼少期から苦悩してきた先延ばしに関する研究を実施。教育機関やセミナーでの講師、ベンチャー企業でのインターンなどを通し、学術的な視点と現場や当事者の視点の行き来を志向・実践。その経験を活かし、多くの当事者との接点となりうる組織・人事の課題への実効的なアプローチを探求している。

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