2024年9月30日
職場の自己効力感の科学:「自信」の効果を最大化するために
特定の行動や与えられた役割を自分自身が実行できると考えている度合いは、「自己効力感」と呼ばれる概念です。実務の領域でも広く認知されている概念の1つですが、学術研究における注目度も高く、古くから研究が行われてきただけでなく、近年になっても新しい論文が次々と発表されています。
こうした注目度の高さは、個人の心理的な特徴でありながら、様々な行動や組織的な成果、あるいはその弊害もあることなど、影響が多岐にわたるからだといえるでしょう。
本コラムでは、自己効力感に関する学術研究を紹介することで、その理解を深めると共に、自他の自己効力感を高めるための支援策や、自己効力感の高い従業員を活かすマネジメント方法について解説します。
1章:学術研究における「自己効力感」
研究上の定義と注目するポイント
初めに、自己効力感の研究上の定義を確認します。日常生活や実務上の認識としては、自己効力感は、いわゆる「自信」のように理解されている場合が多いでしょう。その理解も、誤りではありません。しかし、学術研究上の厳密な定義を知ることで、実務への応用や従業員の理解が深まることが期待されます。
学術研究において自己効力感とは、特定の結果を得るために必要な行動を、自分自身が上手く実行できると考える度合いとされています[1]。注目すべきポイントは、「行動」に対する主観的な考えであるという点です。少し細かいのですが、重要な点であるため、より詳しく説明します。
例えば、あるプロジェクトに参加している従業員が、「このプロジェクトを成功させたい」と考え、「プロジェクト成功に有効なのは徹底したリサーチだ」と考えたとします。この時、前者の「プロジェクトの成功」は、後者の「徹底したリサーチ」という行動によって得られる結果です。そして、自己効力感とは、ある結果を実現するために必要な行動を、自分自身が取れるかどうか、という考えです。あえて「自信」という言葉を用いて言い換えると、ある行動を上手くとることへの自信といえるでしょう。
こうした区別は、「無気力」という視点で行動を整理することにつながります。つまり、望ましいと思える行動を取らない従業員がいたとき、「その行動に意味がない」と考える場合と、「その行動を取ることが難しい」と考える場合とを区別できるのです。後述するように、自己効力感の高さが仕事のパフォーマンスにつながることも報告されており、従業員が「その行動を上手くできる」と思えるよう支援することの意義にもつながります。
また、学術研究では「どのような領域に関する行動に自己効力感か」という領域に注目する視点もあります[2]。その理由として、自分の行動全般に対する自己効力感よりも、特定の領域に関する自己効力感を調べる方が、パフォーマンスを正確に予測できる可能性があるためです[3]。そこで以降の内容として、近年の研究の中から、実務と関わりが深い領域に注目した自己効力感をいくつか紹介します。
職業的自己効力感
実務と関連する近年の研究テーマの1つが、「職業自己効力感」です。学術的には、自分が抱える業務の内容を、上手く遂行する能力があると感じる度合いと定義されています[4]。具体的には、以下のような行動傾向が高い場合は、職業的自己効力感が高いと考えられます。
- 仕事で何が起きても、大抵のことは対処できる
- 仕事で問題が起きても、その解決策を見つけられる
- 仕事の困難に直面しても、自分の力が頼りになるので落ち着いていられる
上記の例から分かるように、職業的自己効力感は、自信の対象を仕事に関わる行動に限定しています。これにより、私生活など別領域での行動を対象から取り除くことができるため、仕事や業務のパフォーマンスをより正確に予測できるのです。近年の研究では、職業的自己効力感が高い人は、在宅勤務時でも意欲的に仕事に取り組むこと[5]や、革新的なアイディアの生成や行動をとる傾向が高い[6]など、望ましい特徴も報告されています。
役割の広がりへの自己効力感
もう1つの研究テーマが、「役割拡張への自己効力感」です。こちらは、手元の業務や現状で与えられている役割に留まらず、より主体的・積極的に行動できると考える度合いと定義されています[7]。
たとえば、ルーティーンワークの効率アップができるか、部署全体の新規目標を立案できるかなど、今後の展望や能力の拡張に対する自信に注目しており、上述の職業的自己効力感が特定のタスクを想定している点と異なります。
役割拡張への自己効力感が高いほど、新しいアイディアを提案したり、積極的に問題解決に取り組むなど、実際に行動を起こす傾向も高いことが、研究によって確認されています[8]。また同時に、役割拡張の自己効力感は、仕事で裁量を与えられているという環境要因によって高まることも確認されました。これは、マネジメントによって自己効力感を高められる可能性を示す結果でもあり、注目に値します。
2章:自己効力感の職場・仕事での応用例
ここからは、実務の場面で自己効力感がどのように生かせるのか、従業員個人の立場と、マネジメントの立場の両方から考えていきます。自己効力感は個々人が自分に対して持つ認識ですが、後述するように、自分や周囲からの働きかけによって高めることができるとされています。そこで、自己効力感の高さがもたらす効果を検討した研究を紹介し、活用できる場面や活用方法を考えます。
個人にとって望ましい効果
初めに、従業員にとっての望ましい影響について紹介します。ある研究では、信頼している組織で働く従業員では、上述の役割拡張への自己効力感が高いほど、職務への満足感や、業務の成績が良いことが確認されています[9]。
自己効力感によって効果が得られるメカニズムは、仕事や職場との関わりから説明されています。仕事を進めることや、職場の対人関係においては、思い通りにいくことばかりではありません。そうした領域・環境で、スキルが同程度の人を仮定すると、自分の力を信じられるほど諦めずに取り組むことができるので、結果的にパフォーマンスが高まると考えられています。
この効果を裏付けるように、自己効力感が高いことで、燃え尽き症候群(バーンアウト)を防ぐ効果も確認されています[10]。つまり、仕事で多少困難な状況になったとしても、自分が「切り抜けられる」と信じることができれば、そうした状況でも気持ちを保つことができるのです[11]。
また、現状の方法を改善したり、与えられた役割以上の働きを見せるためには、自分一人で仕事を進めるだけでなく、周囲の人達と関わる必要性も高まります。それらを上手く実行できれば、周囲を巻き込んだ目標達成や職場への自分の貢献度も同時に高まり、職務満足にも繋がりやすいといえます。
企業にとって望ましい効果
続いて、自己効力感の高い従業員が、企業にもたらす効果を紹介します。まず、自己効力感の高い従業員は、高いパフォーマンスを上げる以前に、仕事へ熱心に取り組み、長く働いてくれる可能性があります。
様々な年齢層や職種の従業員を対象にした研究[12]で、自己効力感が高いほど、仕事に熱心に取り組んだり、仕事を通して活力を感じる度合いが高いという効果が確認されています。その理由として、「仕事を上手く進められる」という見込み・意識である自己効力感が高ければ、実際に意欲的に働く行動につながること、あるいは、周囲とも積極的に関われるので、サポートや良い刺激を受けられることなどが指摘されています[13]。
また、自己効力感が高い場合、企業へのポジティブな意味合いでの定着意図が高まる効果や、離職意図を下げる効果も確認されています。興味深いのは、「会社の環境が恵まれているから」という理由を考慮してもなお、自己効力感によってリテンションが高まることです。
具体的には、適切なフィードバックをもらえる、キャリア発達の機会があるといった会社の特徴が、リテンションに影響することが確認されました。しかし、統計的な手続きにより、それらの影響力を考慮したうえでも、「自己効力感が高いから会社に残りたい」という効果があると示されました[14]。
つまり、所属していることで得られる上記のような直接的なメリットだけでなく、自己効力感が高いことによる「積極的に働ける」という個人的な経験が、会社に留まりたいと考える傾向を高めるようです。
また、業務に直接的に関わる要因以外にも、自己効力感の高い従業員は、企業にとって望ましい振る舞いをする傾向も確認されています。具体的には、自身に期待されている役割や業務の範囲を超えて、企業やチームのために行動する頻度が高いのです。これは「組織市民行動」と呼ばれ、例えば、ルールの遵守や会社のイメージ向上、対内・対外的な動きの把握に主体的に取り組んだり、会社の同僚を積極的に助けるといった行為が該当します[15]。
自己効力感が組織市民行動を促すメカニズムとしては、上述の「役割拡大への自己効力感」の効果と類似していると考えられます。つまり、「業務の達成に関わることは上手く実行できる」という自信が波及して、「職場のことであれば業務以外のこともうまくこなせる」と考えるようになる可能性です。自己効力感が高いことで周囲との関わりも生まれやすくなることから、職場の人間関係の中でどう振舞えばよいか、その匙加減が分かるという可能性もあります。
また、組織市民行動が高まる独自のメカニズムとして、組織への「恩返し」という見方もあります。自己効力感が組織市民行動を高める効果を検討した論文[16]では、自己効力感によって、「自分はこの会社の一員である」「この会社に長く在籍したい」という自負や、仕事に対する満足度も高まることが確認されています。自己効力感が高い場合、仕事をこなせる環境に居られることで、そうした環境を提供してくれる会社に対して、その恩を返したいと考えるのかもしれません。
自己効力感の「副作用」
このように、自己効力感の高さは、従業員や企業側に多くのメリットをもたらします。一方で、薬にも副作用があるように、自己効力感が高いことで生じるデメリットも確認されています。以降では、上記のメリットとして紹介した側面とも関連が深い、いわば「諸刃の剣」ともいえる2つの知見を紹介します。
1つ目が、業務パフォーマンスの一部が下がるリスクです[17]。具体的には、行動全般に対する自己効力感が高すぎる場合、創造性を下げるリスクがあることが報告されています。ここでの創造性とは、製品の開発やプロセスの改善といった、組織にとって有益なアイディアを生みだしたり、それを実践する度合いを指します。
前提として、自己効力感が全く低い場合よりも、ある程度高い方が創造性は発揮されます。過去よりも良いアイディアを生成するという困難な場面で、「上手くできるだろう」と考えることで、努力が促されるためです。
一方で、自己効力感が高いということは、あらゆる場面において、自分が適切に振舞うことができる自信があるということです。つまり、これから取り組むことに対して「工夫せずとも何とかなるだろう」と考える状態にもなりえます。そのため、その活動へ取り組むことへの関心が薄れてしまうことがあると考えられています。
2つ目は、離職する可能性が高まるリスクです[18]。これは、上述の「自己効力感によって定着が促される」という効果と一見矛盾するものです。しかし、組織と従業員の間に信頼関係が成立しているかどうかによって、自己効力感の高い従業員の考え方が変わることが確認されているのです。
背景を整理すると、自己効力感の高い従業員は、当該の業務や関連職種においても「上手く仕事ができる」と考えています。そのうえで、もし従業員が組織を信頼しているならば、今いる環境に満足することができ、長く働くことを望むでしょう。一方で、組織を信頼していない場合は、別の企業でも上手く仕事ができるという自信をよりどころに、自分にとってより条件の良い環境へ出ていこうとする反応が起きることも、自然な判断として起こりえるのです。
3章:支援策と人事的な活用法の提案
成功体験を積む
最後に、従業員の自己効力感を高める方法や、自己効力感の高さを自社で活かすために必要な施策について紹介します。まず、自己効力感を高める方法として、成功体験を積むという方法があります[19]。実際に経験することで、これから取り組む業務に対しても「上手くこなせる」という意識が高まると考えられています。
ただし、いきなり同程度の難しさがある業務に取り組んでも、不安が伴う恐れがあります。そこで、類似した簡単な業務に取り組むことが有効でしょう。例えば、プロジェクトリーダーを担当する前には別プロジェクトで補佐を勤めたり、締め切りのある業務では全行程の一部のみをまず担当するといった具合です。
また、自分自身の経験でなくても、成功体験を知ることも有効だと言われています。つまり、他の人が上手く業務をこなしている様子から学ぶことができれば、同様に自己効力感が高まります。上記の例のように、先輩が主導するプロジェクトに帯同させることや、類似した業務を担当した際の進め方を解説することも有効だと考えられます。
信頼関係を構築する
以降では、自己効力感に着目して、従業員の活躍を促進する方法を提案します。1つ目が、従業員との間に、信頼関係を構築することです。前述のように、会社との信頼関係は、自己効力感が高く優秀な従業員の定着に関わります。
従業員と組織の間に信頼関係を構築する方法の1つは、従業員へ積極的に発言する機会を与え、それを施策等に反映することです[20]。従業員の発言に耳を傾けるような施策があることで、従業員側は「この組織は適切な対応を取ってくれる」と感じてもらえることが分かっています。
例えば、経営会議へ直接参加することのできない従業員の意見も取り入れるために、部署・チーム単位での会議を先立って実施することで、実態を踏まえて環境を改善する姿勢を示すことができます。併せて、そうした事前の会議で集められた意見が、経営会議でどのように意思決定へ反映されているのか、情報開示の施策を加えることも有効だと考えられます。
仕事の裁量とサポートのバランスを取る
従業員の自己効力感を活かす方法の2つ目は、仕事の裁量を与えつつ、適切なサポート体制を敷くという方法です。背景として、従業員が「裁量がある」「組織からサポートを十分に受けている」と感じる場合の両方で、自己効力感が高いほど、創造的なアイディアの生成や実行が高まることが確認されています[21]。
また、サポートに関する類似した結果として、上司と部下の関係性が良好な場合にも、自己効力感によって創造性が発揮されやすくなることが確認されています。反対に、上司が過剰に管理する場合は、部下からの信頼の低下や反発を招くため、自己効力感が高くとも創造的な活動が高まりません[22]。
これらの点を踏まえると、従業員が求める内容やタイミングで、マネージャーによるフォローがあれば、自己効力感の高い従業員のパフォーマンスが高まることが期待されます。例えば、仕事を曖昧に依頼せず、進め方や確認のタイミングを両者の間で明確に定めてから任せることで、いわゆるマイクロマネジメントの発生を防ぐことができます。あるいは、サポート体制を示すために、上司が部下の相談を優先する時間帯を定めて伝えておくという方法も有効でしょう。
脚注
[1] 竹綱 誠一郎・鎌原 雅彦・沢崎 俊之(1988).自己効力に関する研究の動向と問題. 教育心理学研究, 36(2), 172-184.
[2] 例えば左記の研究では、因子分析を用いて、栄養管理や運動、政治的な関心など、自己効力感において4つの独自因子と1つの共通因子を仮定しています;Hofstetter, C. R., Sallis, J. F., & Hovell, M. F. (1990). Some health dimensions of self-efficacy: Analysis of theoretical specificity. Social Science & Medicine, 31(9), 1051-1056.
[3] 例えば、ビジネスパーソンにとって重要な「交渉」において、全般的・領域固有・課題固有の自己効力感を測定し、その効果を比較した研究があります。詳細は以下の文献を参照ください;Miles, E., & Maurer, T. (2012). Advancing validity of self‐efficacy in negotiation through focusing at the domain level. Journal of Occupational and Organizational Psychology, 85, 23-41. https://doi.org/10.1348/096317910X531744.
[4] Rigotti, T., Schyns, B., & Mohr, G. (2008). A short version of the occupational self-efficacy scale: Structural and construct validity across five countries. Journal of Career Assessment, 16, 238-255.
[5] Rubianto, L., & Kembaren, E. M. (2023). Occupational self-efficacy as a predictor of work engagement employees working telecommuting during the covid-19 pandemic. Jurnal Ilmiah Psikologi Terapan, 11(1), 13-18.
[6] Islam, T., Zahra, I., Rehman, S. U., & Jamil, S. (2024). How knowledge sharing encourages innovative work behavior through occupational self-efficacy? The moderating role of entrepreneurial leadership. Global Knowledge, Memory and Communication, 73(1/2), 67-83.
[7] Parker, S. K. (1998). Enhancing role breadth self-efficacy: the roles of job enrichment and other organizational interventions. Journal of applied psychology, 83(6), 835.
[8] Parker, S. K., Williams, H. M., & Turner, N. (2006). Modeling the antecedents of proactive behavior at work. Journal of applied psychology, 91(3), 636.
[9] Ozyilmaz, A., Erdogan, B., & Karaeminogullari, A. (2018). Trust in organization as a moderator of the relationship between self‐efficacy and workplace outcomes: A social cognitive theory‐based examination. Journal of Occupational and Organizational Psychology, 91, 181–204.
[10] Shoji, K., Cieslak, R., Smoktunowicz, E., Rogala, A., Benight, C. C., & Luszczynska, A. (2016). Associations between job burnout and self-efficacy: a meta-analysis. Anxiety, Stress, & Coping, 29, 367-386.
[11] ただし、近年の研究で、高頻度でストレスにさらされる状況が続く場合は、自己効力感の低下と共に燃え尽き症候群を発症するリスクも報告されている為、注意が必要です。詳細は右記の論文を参照ください;Yu, X., Wang, P., Zhai, X., Dai, H., & Yang, Q. (2015). The Effect of Work Stress on Job Burnout Among Teachers: The Mediating Role of Self-efficacy. Social Indicators Research, 122, 701-708.
[12] 20代から70代まで年齢層、官民の両セクターに従事する人を対象にアンケート調査が行われています。詳細は右記をご確認ください;Albrecht, S. L., & Marty, A. (2020). Personality, self-efficacy and job resources and their associations with employee engagement, affective commitment and turnover intentions. The International Journal of Human Resource Management, 31(5), 657-681.
[13] Consiglio, C., Borgogni, L., Tecco, C., & Schaufeli, W. (2016). What makes employees engaged with their work? The role of self-efficacy and employee’s perceptions of social context over time. Career Development International, 21, 125-143. https://doi.org/10.1108/CDI-03-2015-0045.
[14] このような分析上の手続きを統制と呼びます。詳しくは当社コラムを参照ください;統制とは何か
[15] 研究毎にやや違いがあるものの、主に5つの下位概念(誠実さ、スポーツマンシップ、市民の美徳、礼儀正しさ、愛他主義)が想定されています。海外では、個人の役割や業務が職務契約書によって厳密に決められているケースが通例です。そのため、それを超える働きが組織市民行動と考えられます。一方、業務内容の規定が曖昧な部分もある日本では、つかみどころがないとも言えますが、翻訳版を作成した研究では、ほぼ同様の因子を仮定することができることが確認されています。詳細は、右記の研究を参照ください;西田豊昭. (1997). 企業における組織市民行動に関する研究 企業内における自主的な行動の原因とその動機. 経営行動科学, 11(2), 101-122.
[16] Na-nan, K., Kanthong, S., & Joungtrakul, J. (2021). An Empirical Study on the Model of Self-Efficacy and Organizational Citizenship Behavior Transmitted through Employee Engagement, Organizational Commitment and Job Satisfaction in the Thai Automobile Parts Manufacturing Industry. Journal of Open Innovation: Technology, Market, and Complexity.
[17] Lee, J., Yun, S., Lee, S., & Lee, J. (2019). The Curvilinear Relationship between Self-efficacy and Creativity: The Moderating Role of Supervisor Close Monitoring. Journal of Business and Psychology, 34, 377-388. https://doi.org/10.1007/S10869-018-9546-9.
[18] Ozyilmaz, A., Erdogan, B., & Karaeminogullari, A. (2018). Trust in organization as a moderator of the relationship between self‐efficacy and workplace outcomes: A social cognitive theory‐based examination. Journal of Occupational and Organizational Psychology, 91, 181–204.
[19] 本文に述べた以外にも、他者からの説得、感情の喚起によって、自己効力感が形成されると考えられています。詳細は右記の論文を参照ください;
- Bandura, A. (1977). Self-efficacy: Toward a unifying theory of behavioral change. Psychological Review, 84, 191-215.
- 竹綱 誠一郎・鎌原 雅彦・沢崎 俊之(1988).自己効力に関する研究の動向と問題. 教育心理学研究, 36(2), 172-184
[20] 信頼関係の一側面として、自分の所属する組織を「公正な手続きを踏んでいる」と感じる度合いである「組織的公正」を高める要因を紹介しています。詳細は右記の論文を参照ください;
- Cohen-Charash, Y., & Spector, P. E. (2001). The role of justice in organizations: A meta-analysis. Organizational behavior and human decision processes, 86(2), 278-321.
- 田中 堅一郎(1996).産業・組織心理学における社会的公正に関する研究の動向 産業・組織心理学研究, 10, 59-73.
[21] Mathisen, G. E. (2011). Organizational antecedents of creative self‐efficacy. Creativity and Innovation Management, 20, 185-195.
[22] Lee, J., Yun, S., Lee, S., & Lee, J. (2019). The Curvilinear Relationship between Self-efficacy and Creativity: The Moderating Role of Supervisor Close Monitoring. Journal of Business and Psychology, 34, 377-388. https://doi.org/10.1007/S10869-018-9546-9.
執筆者
黒住 嶺 株式会社ビジネスリサーチラボ フェロー
学習院大学文学部卒業、学習院大学人文科学研究科修士課程修了。修士(心理学)。日常生活の素朴な疑問や誰しも経験しうる悩みを、学術的なアプローチで検証・解決することに関心があり、自身も幼少期から苦悩してきた先延ばしに関する研究を実施。教育機関やセミナーでの講師、ベンチャー企業でのインターンなどを通し、学術的な視点と現場や当事者の視点の行き来を志向・実践。その経験を活かし、多くの当事者との接点となりうる組織・人事の課題への実効的なアプローチを探求している。