2024年9月10日
心理的オーナーシップ:従業員の当事者意識を高める(セミナーレポート)
ビジネスリサーチラボは、2024年9月にセミナー「心理的オーナーシップ:従業員の当事者意識を高める」を開催しました。
従業員の当事者意識や「自分事」化を促したい。そう考える人事担当者やマネージャーは少なくありません。しかし、具体的にどうすればよいのか、悩まれてはいませんか。
「心理的オーナーシップ」という考え方がヒントを提供してくれます。本セミナーでは、心理的オーナーシップに関する研究知見を、実務に即した形で解説します。
- なぜ一部の従業員だけが強い当事者意識を持つのか?
- どうすれば全社的に「自分事」文化を醸成できるのか?
- 心理的オーナーシップがもたらす意外な落とし穴とは?
例えば、こうした点について、学術的な裏付けと実務的な視点の両面から説明していきます。心理的オーナーシップという新しい視点で、人材マネジメントの可能性を探ってみませんか。
※本レポートはセミナーの内容を基に編集・再構成したものです。
はじめに
現代のビジネス環境において、「当事者意識」や「自分事化」という言葉をよく耳にします。多くの組織がこれらの考え方を重視し、従業員に対してその意識を持つよう求めています。なぜでしょうか。従業員が仕事を単なる義務としてではなく、自分自身のものとして捉え、真摯に取り組むことを期待しているからです。
組織にとって、従業員が単に仕事をこなすだけでなく、その結果に対して責任を持ち、より良い成果を追求する姿勢は重要です。逆の状態を想像してみると、その重要性がより明確になります。仕事は遂行するものの、ただこなすだけで、うまくいかなかった場合も「あとは知らない」という態度では、組織の成長や発展は望めません。
「当事者意識」や「自分事化」に近い概念として、学術的に研究されている「心理的オーナーシップ」があります。心理的オーナーシップとは、組織や仕事に対して「これは自分のものだ」と感じることを指します。ここで重要なのは、これが法的な所有権ではなく、心理的な現象だということです。実際に組織や仕事の所有者でなくても、心理的にそれらを「自分のもの」と感じることができるのです。
心理的オーナーシップの効果
心理的オーナーシップは、単なる理想論ではありません。実際に組織や個人にポジティブな影響を与えることが、複数の学術研究によって明らかになっています。
革新的行動の促進
中国の企業を対象にした研究では、心理的オーナーシップが高い従業員ほど革新的な行動をとる傾向があることが示されました[1]。これは興味深い発見です。心理的オーナーシップが、与えられた仕事を熱心にこなすだけでなく、新しいアイデアの創出や実現への意欲につながることを表しているからです。
この結果は、心理的オーナーシップが組織の革新性や競争力向上に寄与する可能性を示唆しています。従業員が「これは自分の組織だ」「これは自分の仕事だ」と感じることで、その組織や仕事をより良いものにしたいという思いが生まれます。そして、その思いが新しいアイデアの創出や、そのアイデアを実現しようとする行動につながるのです。
心理的オーナーシップは責任感を生み出します。自分のものだと感じれば、その成功や失敗に対しても責任を感じるようになります。この責任感が、より積極的な行動を促し、結果として革新的な行動につながります。
エンゲージメントと幸福感の向上
パキスタンの従業員を対象とした研究においては、心理的オーナーシップが高い人ほど、仕事へのエンゲージメントが高まり、結果として幸福感も向上することが明らかになりました[2]。この結果は、心理的オーナーシップが組織のパフォーマンス向上だけでなく、従業員個人のウェルビーイングにも影響を与えることを示しています。
心理的オーナーシップは、仕事に対する感情的なつながりを強めます。「これは自分の仕事だ」と感じることで、その仕事に対してより強い愛着や関心を持つようになります。その結果、仕事により熱心に取り組むようになり、エンゲージメントが高まります。
高いエンゲージメントは、仕事への没頭と充実感をもたらします。自分が価値ある仕事に従事していると感じることで、日々の生活に意味を見出すことができます。これが幸福感の向上につながるのです。
この研究は、仕事と個人の幸福感が密接に関連していることを意味しています。組織が従業員の心理的オーナーシップを高めることは、組織のパフォーマンス向上だけでなく、従業員の生活の質の向上にも寄与する可能性があります。
心理的オーナーシップを高める要因
どうすれば心理的オーナーシップを高められるのでしょうか。研究では、以下の4つの要因が重要であることが明らかになっています[3]。
統制
統制とは、自分の仕事や環境をコントロールできると感じることです。裁量権を持つことが大事です。組織が従業員に仕事を任せることで、心理的オーナーシップは高まりやすくなります。
例えば、プロジェクトの進め方を従業員自身に決定させたり、業務改善のアイデアを積極的に募集したりすることが考えられます。また、フレックスタイム制やリモートワークなど、働き方の柔軟性を高めることも統制感につながります。
ただし、上下関係が厳しい組織では、統制を高めても効果が弱くなります[4]。これは、組織の風土と実践が合っていないためだと考えられます。例えば、形式的には従業員に裁量権を与えても、実際には上司の意向に従わざるを得ないような環境では、真の意味での統制感は得られません。
したがって、統制を高める施策を導入する際には、組織の文化や風土との整合性も考慮する必要があります。場合によっては、組織文化そのものの変革が必要になるかもしれません。
知識
知識とは、組織や仕事について深い理解を持つことです。一般的に、その仕事に長く取り組んでいる人ほど心理的オーナーシップが高くなります。これは、経験を積むことで仕事の詳細や影響範囲をよく理解し、その仕事に対する愛着や責任感が強まるためです。
組織としては、従業員の経験と学びを促進するために、様々な施策を講じることができます。
- 定期的な振り返りの機会を設ける:プロジェクトの終了時や四半期ごとに、成果や学びを振り返るセッションを行う
- メンター制度の導入:経験豊富な先輩社員が若手社員をサポートし、知識や経験を共有する
これらの施策により、従業員は自分の仕事や組織について深い理解を得ることができ、結果として心理的オーナーシップが高まることが期待できます。
投資
投資とは、労力を投じることです。これは本人が自発的に行う場合も、組織が機会を提供する場合もあります。自分の時間やエネルギーを投資することで、その対象に対する愛着や所有感が生まれやすくなります。
組織として投資を促進するためには、次のような施策が考えられます。
- 自己啓発支援制度:従業員が自主的に学習や資格取得に取り組む際の費用や時間を支援する
- 社内プロジェクトへの参加機会:通常の業務以外の社内プロジェクトに参加する機会を提供する
- トレーニングプログラムの充実:様々なスキルや知識を学べる研修プログラムを提供する
こうした施策によって、従業員は自分の成長や組織の発展に投資することができ、その過程で心理的オーナーシップが高まります。
安全性
安全性とは、心理的に安全だと感じられる環境のことです。弱さや失敗を見せても大丈夫だと感じられる環境では、心理的オーナーシップが高まりやすくなります。そのような環境では、従業員が自由に意見を述べたり、新しいアイデアを試したりすることができるからです。
心理的安全性を高めるためには、次のような取り組みが効果的です。
- 謙虚なリーダーシップの実践:上司が自身の弱さや失敗を率直に認め、学びの機会として捉える姿勢を示す
- 失敗から学ぶセッションの実施:プロジェクトの失敗を批判するのではなく、そこから得られた教訓を共有し合う機会を設ける
- 多様性の尊重:異なる背景や視点を持つ人々の意見を積極的に取り入れる
これらの取り組みで、従業員は自分の考えや行動を自由に表現できるようになり、結果として仕事や組織に対する心理的オーナーシップが高まるでしょう。
仕事の特性と心理的オーナーシップ
心理的オーナーシップを高める要因は、組織の施策だけではありません。仕事の与え方によっても心理的オーナーシップを促進することができます[5]。具体的には、5つの特性を持つ仕事が心理的オーナーシップを高めやすいとされています。
スキル多様性
スキル多様性とは、様々なスキルを使う必要がある仕事のことです。単調な作業の繰り返しではなく、複数の能力や知識を活用する必要がある仕事は、自己投資を促し、仕事に対する愛着や所有感を生み出しやすくなります。
例えば、プロジェクトマネージャーの仕事は、技術知識、コミュニケーション能力、リーダーシップスキルなど、多様なスキルを必要とします。このような仕事に従事することで、従業員は自分の様々な能力を発揮し、成長を実感することができます。その結果、仕事に対する心理的オーナーシップが高まりやすくなるのです。
組織としては、次のような方法でスキル多様性を高めると良いでしょう。
- 複合的なプロジェクトへの配属:複数の部門や機能が関わるプロジェクトに従業員を配置する
- ジョブ・エンリッチメント:既存の仕事に新しい責任や課題を追加する
タスク完結性
タスク完結性とは、仕事の全体像が見える状態のことです。自分の担当する作業が全体のどこに位置づけられ、どのような意味を持つのかが明確であれば、その仕事に対する責任感や所有感が高まります。
例えば、製品開発プロジェクトにおいて、企画から設計、製造、販売までの全プロセスに関わることができれば、タスク完結性は高くなります。一方、細分化された作業の一部分だけを担当し、全体像が見えない状態では、タスク完結性は低くなります。
組織として、タスク完結性を高めるためには次のような取り組みが考えられます。
- 全体像の共有:プロジェクトや業務の全体像を定期的に共有し、各自の役割がどこに位置づけられるかを明確にする。
- 定期的な進捗会議:各自の作業が全体にどのように貢献しているかを確認できる機会を設ける。
タスク重要性
タスク重要性とは、自分の仕事が組織や他者に重要な影響を与えていると感じられることです。自分の仕事が組織の成功や顧客の満足度向上につながっていると実感できれば、その仕事に対する誇りや責任感が生まれ、心理的オーナーシップが高まります。
例えば、営業担当者が自分の獲得した契約が会社の業績に大きく貢献していることを実感できれば、タスク重要性は高くなります。タスク重要性を高めるために、組織は次のような施策をとることができます。
- 成果の可視化:各従業員の仕事が組織全体の目標達成にどのように貢献しているかを明確に示す
- 顧客フィードバックの共有:顧客からの感謝や評価を直接従業員に伝える機会を設ける
- インパクトストーリーの共有:従業員の仕事が実際にどのような影響を与えたかを具体的な事例とともに共有する
自律性
自律性は、先述の「統制」と同様、仕事に対する裁量権を持つことを指します。自分で決定を下し、仕事の進め方を選択できる環境は、心理的オーナーシップを高める重要な要因となります。
例えば、プロジェクトのスケジュールや方法を自分で決められる場合、その仕事に対する責任感や所有感が高まります。一方、細かい指示を受けながら仕事を進める場合、自律性は低くなります。
自律性を高める際には注意が必要です。一度仕事を任せたら、細かく確認しすぎないようにすることが重要です。過度の監視や介入は、せっかく与えた自律性を損なってしまう可能性があります。
フィードバック
フィードバックとは、自分のパフォーマンスに関する情報が得られることを指します。適切なフィードバックにより、自分の成長や貢献を感じられるようになり、心理的オーナーシップが高まります。
効果的なフィードバックは次の特徴を持ちます。
- タイムリー:行動やパフォーマンスの直後に提供される
- 具体的:抽象的な評価ではなく、具体的な行動や結果に基づいている
また、次のような方法でフィードバックを促進することができます。
- 定期的な1on1ミーティング:上司と部下が定期的に面談し、パフォーマンスや成長について話し合う機会を設ける
- ピアレビュー:同僚同士で互いの仕事をレビューし、フィードバックを提供する
特に、ポジティブ・フィードバックを中心に行うことが重要です。成功や貢献を認められることで、従業員は自信を持ち、さらに高い心理的オーナーシップを感じるようになります。
心理的オーナーシップの両面性
ここまで、心理的オーナーシップの利点とその促進方法について述べてきました。しかし、心理的オーナーシップには両面性があることが指摘されています[6]。つまり、良い面と悪い面が同時に存在する可能性があるのです。
良い面としては、心理的オーナーシップが高い従業員は自分の仕事にしっかりと向き合い、組織に貢献したいという思いが強くなります。その結果、次のような行動が見られます。
- 役割内行動の向上:正式な職務として求められる行動をより高いレベルで遂行するようになる。例えば、より丁寧な仕事、より迅速な対応、より正確な報告などが期待できる
- 役割外行動の増加:自発的な貢献行動が増える。これは組織市民行動とも呼ばれ、例えば同僚の手伝い、自主的な改善提案、組織の評判を高める行動などが含まれる
これらの行動は、組織全体のパフォーマンス向上につながる可能性が高く、心理的オーナーシップの重要な利点といえます。
その一方で、心理的オーナーシップには負の側面もあります。
- 縄張り行動:自分の仕事や領域を他人から守ろうとするあまり、他者の介入を嫌がったり拒んだりする行動が見られることがある。これは、チームワークや組織全体の効率性を損なう
- 知識の隠蔽:自分の知識や情報を組織の共有資産として見なさず、個人的な所有物として扱ってしまう傾向がある。これは、組織内の知識共有や学習を妨げる
- 非倫理的行動:極端な場合、自分の仕事や成果を守るためにデータを改ざんしたり、他人の足を引っ張ったりするような行動につながる可能性がある
これらの知見は、心理的オーナーシップを高めることの重要性を示すと同時に、その促進には慎重なアプローチが必要であることを示唆しています。心理的オーナーシップを高めつつ、他者とのオープンな関係を維持することが大事です。閉鎖的な環境では、心理的オーナーシップの負の側面が助長される可能性があるため、コミュニケーションを促進する施策が不可欠です。
具体的には、次のような取り組みが有効でしょう。
- チーム目標の設定と強調:個人の目標だけでなく、チーム全体の目標を明確にし、その達成に向けて協力することの重要性を強調する
- 協働の機会の創出:異なる部署や専門性を持つ人々が協力して取り組むプロジェクトを増やす
- 知識共有の奨励:自分の知識や経験を他者と共有することの価値を認め、評価する仕組みを作る
- オープンコミュニケーションの促進:部署や階層を越えて自由に意見交換できる場や機会を設ける
おわりに
心理的オーナーシップは、組織と個人の成長を促す重要な考え方です。適切に育成・管理することで、従業員の革新的行動やエンゲージメント、幸福感を高め、組織全体のパフォーマンス向上につながります。
しかし、その促進には慎重なアプローチが必要です。個人の自律性や裁量権を尊重しつつ、チームワークやオープンなコミュニケーションを重視することが重要です。心理的オーナーシップの両面性を理解し、その負の側面を最小限に抑えるための施策を講じましょう。
従業員一人ひとりが「これは自分のものだ」と感じられる環境を整えつつ、チーム全体としての協調性や倫理観も大切にする。そのバランスを取ることが、組織の持続的な成長と従業員の幸福につながる鍵となるでしょう。
Q&A
Q:心理的オーナーシップは重要だと感じますが、強すぎるとバーンアウトのリスクが高くなる気がします。どう思われますか?
その懸念は正当だと思いました。仕事に対して自分ごととしての意識を持つこと、つまり心理的オーナーシップは、仕事の満足度や充実感を高めるために重要です。ただし、これが過度に高まると、責任感が強くなりすぎてしまい、ストレスが蓄積して、バーンアウトのリスクが高まるかもしれません。
ストレスが高い状態では、周囲とのコミュニケーションが滞って、情報共有が不足したり、非倫理的な行動をとったりする可能性も出てきます。適度なストレス管理が重要です。例えば、定期的な休息をとり、互いに支え合える職場環境を整えて、組織全体で従業員の健康やウェルビーイングに対する配慮が求められるでしょう。
Q:私はどの職場でも強いオーナーシップを持って仕事をしていますが、周りには同じタイプや逆のタイプの人もいます。この違いは、生まれつきによるものか環境によるものか、どちらでしょうか?
確かに、資質としてオーナーシップの強さに違いがある部分がないわけではありません。しかし、心理的オーナーシップは環境によっても影響を受けます。
例えば、仕事の裁量が与えられる環境では、心理的オーナーシップが高まりやすい一方、全く裁量がない環境では、オーナーシップは低くなりがちです。
また、心理的オーナーシップが高い人は積極的に行動し、その結果さらに多くの裁量を与えられ、仕事に対する責任感が増していくというポジティブなサイクルに入りやすいかもしれません。逆に、オーナーシップが低い人は、その環境でも積極的に行動しないため、さらに裁量が減り、ネガティブなサイクルに陥りやすくなるとも考えられます。
Q:心理的オーナーシップが強すぎると、他のメンバーと調整できず、独りよがりになることがあると思います。チームのために行動しているつもりでも、押しつけがましいと思われることがあるのではないでしょうか。
心理的オーナーシップが高い人が、周囲とのコミュニケーションを疎かにしたり、状況を把握しきれていないと、本人は良かれと思ってやっていることが、他のメンバーにとっては迷惑に感じられることがあるでしょう。
オーナーシップを持つことは大事ですが、それがチーム全体に貢献できる形で発揮されるようにするためには、周囲との連携や状況を冷静に見る力が必要です。これができていないと、かえってチームのパフォーマンスを下げる結果になるかもしれません。
したがって、コミュニケーションを心がけ、チーム全体の目標を意識して行動することが重要です。このことによって、個々の努力がチーム全体の成果に結びつきやすくなります。
Q:心理的オーナーシップが低い従業員に対して、どのようにアプローチすればよいでしょうか。特に長年同じ仕事を続けているベテラン社員の心理的オーナーシップを高める方法はありますか。
いくつかの方法が考えられます。
- 新しいプロジェクトやチャレンジングな仕事を任せる。仕事に対する新たな興味を引き出し、過去の経験や知識を活かす機会が生まれます。
- 若手社員のメンターを任せる。自分の経験や知識が他の人に役立つことを実感し、心理的オーナーシップが高まる可能性があります。
- 新しいスキルや技術の習得を支援する。テクノロジーや仕事の進め方が変わる中で、新しいスキルを学ぶことは成長の機会となり、心理的オーナーシップを高めることにつながります。
Q:心理的オーナーシップと職種との関連はありますか。例えば、クリエイティブな職種と事務的な職種では、心理的オーナーシップの形成に違いがあるのでしょうか。
職務特性理論の5つの要素が、心理的オーナーシップと職種の関連を考える際に参考になります。
- スキル多様性:様々なスキルが必要な仕事
- タスク完結性:仕事の全体が見渡せること
- タスク重要性:仕事が他に与える影響の大きさ
- 自律性:自分で決定できる自由度
- フィードバック:成果に関する情報が得られること
これらの要素がどれだけ満たされているかによって、心理的オーナーシップが高まりやすいかどうかが変わります。例えば、クリエイティブな職種では、スキルの多様性や自律性が高いことが多いため、心理的オーナーシップが形成されやすいでしょう。このように各職種における具体的な仕事の特徴を考えてみると良いと思いました。
脚注
[1] Liu, F., Chow, I. H. S., Zhang, J. C., and Huang, M. (2019). Organizational innovation climate and individual innovative behavior: Exploring the moderating effects of psychological ownership and psychological empowerment. Review of Managerial Science, 13(4), 771-789.
[2] Khan, K., and Gul, M. (2021). The relationship between psychological ownership and subjective happiness of the employees: mediating role of work engagement. Journal of Professional & Applied Psychology, 2(1), 10-20.
[3] Zhang, Y., Liu, G., Zhang, L., Xu, S., and Cheung, M. W. L. (2021). Psychological ownership: A meta-analysis and comparison of multiple forms of attachment in the workplace. Journal of Management, 47(3), 745-770.
[4] Liu, J., Wang, H., Hui, C., and Lee, C. (2012). Psychological ownership: How having control matters. Journal of Management Studies, 49(5), 869-895.
[5] Pierce, J. L., Jussila, I., and Cummings, A. (2009). Psychological ownership within the job design context: Revision of the job characteristics model. Journal of Organizational Behavior: The International Journal of Industrial, Occupational and Organizational Psychology and Behavior, 30(4), 477-496.
[6] Wang, L., Law, K. S., Zhang, M. J., Li, Y. N., & Liang, Y. (2019). It’s mine! Psychological ownership of one’s job explains positive and negative workplace outcomes of job engagement. Journal of Applied Psychology, 104(2), 229-246.
登壇者
伊達 洋駆 株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役
神戸大学大学院経営学研究科 博士前期課程修了。修士(経営学)。2009年にLLPビジネスリサーチラボ、2011年に株式会社ビジネスリサーチラボを創業。以降、組織・人事領域を中心に、民間企業を対象にした調査・コンサルティング事業を展開。研究知と実践知の両方を活用した「アカデミックリサーチ」をコンセプトに、組織サーベイや人事データ分析のサービスを提供している。著書に『60分でわかる!心理的安全性 超入門』(技術評論社)や『現場でよくある課題への処方箋 人と組織の行動科学』(すばる舎)、『越境学習入門 組織を強くする「冒険人材」の育て方』(共著;日本能率協会マネジメントセンター)などがある。2022年に「日本の人事部 HRアワード2022」書籍部門 最優秀賞を受賞。東京大学大学院情報学環 特任研究員を兼務。