2024年6月13日
古今東西の福利厚生:学術研究から掘り下げる効果と注意点
日本では古くから、企業から従業員に向け、様々な福利厚生が提供されています。従業員にとっては「あるのが当たり前」であり、福利厚生の詳細を掘り下げる機会は稀かもしれません。一方で、福利厚生に関する企業と従業員の事情に、様々な変化が生じていることも事実です。例えば、人件費を削減する目的で内容を見直す動きがあったり、海外では、コロナ禍を機に従業員の要望が変化しているという調査結果も報告されています。
そうした背景を踏まえ、本コラムでは、福利厚生とは何か、提供することにはどのような効果があるのかを、学術研究を通して整理します。そのうえで、企業から従業員に対して、よりよい福利厚生の提供を実現するために、どのような点に気を付けるべきなのか、注意点を提案します。
そもそも福利厚生とは
定義と日本での変遷
まず、「福利厚生」と一言で表現されるものに、具体的にはどのような内容が含まれるのかを確認していきます。詳細は後述しますが、学術的な観点では、「企業から従業員に対して給与とは別に支給される報酬の総額の一部」と定義され、「一度に支給されるもの、または長期的に分割して支給されるもの」が想定されています[1]。
日本での変遷として、企業での福利厚生は、明治維新以降の近代化を支えた紡績業を中心に発達したと報告されています[2]。興味深いことに、各企業の目的別に作られた「福利施設」と「厚生施設」が合わさって福利厚生という語が生まれたものの、一律に定義されずに使われてきた歴史があるそうです。
そういった歴史からか、現代でも企業間から提供される内容は千差万別ですが、日本の経済団体連合会は「経費」という共通項から実態調査を実施しています。具体的には、企業が負担する費用として、以下のような例が福利厚生に含まれます[3]。
- 各種の保険費(健康保険、介護保険、厚生年金保険など)
- 育児関連費
- 従業員等向けの福祉施策の費用(維持、修理営繕、運営費)
- 住宅関連費
- 医療健康費
- ライフサポート費(給食、購買、財産形成など)
項目から見ても、福利厚生には多く種類があることが分かります。また、近年は、他社からのサービスを受けて「代行」で提供する方法や、提供を受ける内容を従業員が選択できる方法(カフェテリア・プラン)なども増え、その幅はより広がっているといえます。
海外で起こる提供内容の見直し
海外では「welfare」や「benefit」といった語が、日本での福利厚生に相当します。詳細は後述しますが、学術研究として、企業側が提供する福利厚生が従業員に与える影響など、その効果についての定量的な検討も行われています[4]。
また、海外ではコロナ禍を経て、福利厚生への注目が集まっていると考えられます。海外では、新型コロナウイルスのパンデミックと並行する時期に「大辞職(The Great Resignation)」と呼ばれる、従業員の大規模な自発的退職の動きが起きました。この現象に注目して、退職を防ぐ方法を検討した論文[5]が示唆を与えます。
具体的には、退職の理由を退職者にアンケートで尋ね、その内容をパンデミックの前後で比較しています。その結果として、パンデミック以前は、職場における自分の価値や仕事ぶりが過小評価されていると感じたり、報酬やワーク・ライフ・バランスに関する不満が理由として多かったのに対し、パンデミック後のは「より良い報酬・待遇を求めて(59%)」という回答が最も多くなっていました。
さらに、企業側へ「有効だと考える対策」についても尋ねたところ、給料の増額や働き方の柔軟性に次いで、「その他の福利厚生の拡充(24%)」が挙げられました。この結果は、「その他」としてまとめていることの影響も一部あるかもしれませんが、従業員側と企業側の双方に、改めて福利厚生を見直そうとする潮流があるとも考えられます。こうした潮流を踏まえると、日本の企業でも、自社の福利厚生を見直すのによい時期といえるかもしれません。
福利厚生の効果とは
企業側にとって望ましい成果につながる
企業全体での成長
ここからは、企業が従業員に向けて福利厚生を提供することの効果について、学術研究によって検討された物を紹介します。まず、企業が多くの福利厚生を提供しているほど、企業の成長率が高かった、という結果が確認されています。
アメリカのビジネス紙に「急成長を遂げている企業」として掲載されている134社を対象に、任意のアンケート調査を行った研究[6]があります。この研究では、同ビジネス誌が分類した8つの福利厚生(健康保険、退職金、在宅勤務など)に注目し、各企業がそれらを提供している数が多いほど[7]、過去4年間の雇用成長率(employment growth)を変換して算出した年間成長率の値が高い、という分析結果を報告しています。
この研究では、福利厚生を提供することが企業の成長を促す理由として、次の3つの可能性を挙げています。まず、惹きつけとしての効果です。福利厚生が充実しているほど、優秀な人材を惹きつけられるため、人材の質が高くなります。次に、そうして集まった人材が人材資源としての有意性を高めるため、企業がもつ競争率が高まります。
最後に、従業員への動機付け効果です。企業の成長に寄与する従業員に対し、福利厚生という形でお返しすることには、多くの意味があると主張しています。たとえば、どのような福利厚生を提供しているかは、情報を収集することで他社と比べることができます。この外部公平性の観点から、企業がより充実した福利厚生を提供するほど、従業員にとっては魅力的に映ると考えられます。こうした点から、企業の成長にとって、福利厚生を提供することは重要であるとしています。
従業員の定着
また、学術研究の中では、人事領域として関心の高い要因へ、福利厚生が及ぼす効果についても検討されています。その中から、従業員の定着に及ぼす効果を検討した研究を紹介します。
日本の従業員を対象とした研究[8]では、リテンションの施策として福利厚生が有効なのかを確認するため、従業員の在籍期間の長さや、離職意図との関連が検討されました。その結果として、従業員が「自分が利用できる」と考える福利厚生制度が多いほど、在籍期間が長いことが確認されています。
こうした結果をもたらす背景として、2つの点が注目されています。1点目は、直接的な背景として、福利厚生による恩恵が、その会社に留まってこそ得られる性質があることです。例えば、独身寮、企業型年金などは、提供できる企業が限られることに加えて(この点は、既述の外部公平性の観点ともいえるでしょう)、企業独自ともいえる質の高さが表れるとも考えられます。このことから、質の高い福利厚生が提供されるほど、従業員がその企業へ定着する可能性が高い、と考えられています。
2点目は、間接的な背景として、従業員や企業において、ワークライフバランスを重視する機運が高まっている点です。仕事と私生活を両立することへの関心が高まることで、企業は、労働環境だけではなく、従業員とその家族の生活の質も整えることが求められます。その施策の1つが福利厚生の提供であり、実際に、企業の方針として従業員の家族を支えようとする傾向が強いほど[9]、上記のように測定された福利厚生の数が多いことも示されました。
従業員側の成果には限界がある
職務満足度・離職意図・コミットメントへの効果
ただし、従業員側に生じるミクロ的な現象に注目すると、「福利厚生を提供さえしておけば安心」とは言い切れない実態も確認されています。たとえば、定着への効果を検討した上記の研究は、従業員自身に尋ねた職務満足度や、離職意図との関連についても検討しています。
分析結果として、利用できる福利厚生の数が多いとしても、職務満足度が高いとは言えず、離職意図を下げる効果も確認されませんでした。つまり、福利厚生の充実することで会社に留める効果が期待されるものの、何らかの理由で職務満足度が下がったり、離職意図が高まると、離職する可能性があるといえます。
あるいは、心情としては「やめたい」と思いつつ、福利厚生の恩恵を受けるという目的のために働いている従業員が存在している可能性もあります。この点に類似して、会社への定着率のもう1つの観点として、従業員のコミットメントに着目した研究を紹介します。
コミットメントとは、会社への感情的な結びつき、辞めることによって発生するコスト、留まることへの義務感、という3つの要素によって、従業員が「会社に留まりたい」と考えている度合いを測定するものです。
複数の研究をまとめた論文[10]では、福利厚生の提供によって、いずれのコミットメントも基本的には向上すると報告しています。しかし、その効果には従業員の個人差があり、特に、辞めることで生じるコストと感情的な結びつきについては、福利厚生を提供することの肯定的な効果が、人によって得られにくい可能性を指摘しています。
先ほどの日本のケースも踏まえ、従業員側は、福利厚生によって得られるメリット、言い換えると、それがなくなるというデメリットから、企業に残っている可能性があります。一方で、職務満足度や企業へのポジティブなイメージという主観的な側面では、その効果が今一つ得にくいという可能性があります。
仕事への意欲への効果
続いて、上述の論文から、従業員のワーク・エンゲイジメントに対する福利厚生の効果についてまとめた内容を紹介します。ワーク・エンゲイジメントとは、主に仕事へ熱心に取り組んでいる程度や、仕事を通して活力を得ていると感じる度合いを指すもので、従業員が仕事に意欲的な姿勢を持てているかの指標とされています。
複数の研究で、福利厚生によって従業員のワーク・エンゲイジメントが高まる効果が確認された一方で、直接的な効果を持たないという研究も確認されました。例えば、金銭的な手当がエンゲージメントに影響したとする研究がある一方で、直接的な効果がなかったとする研究も確認されています。
こうした結果の違いがみられる理由の1つにも、ワーク・ライフ・バランスとの関連が想定されます。先ほどとは別の研究で、仕事とプライベートの両立が取れている事により、ワーク・エンゲイジメントが高まるという効果が報告されています[11]。この点を踏まえると、もし従業員のプライベートを充実させるような福利厚生が提供されれば、仕事にも意欲的に取り組める、という実態が想定されます。
他にも、福利厚生の効果が間接的であることの影響も考えられます。例えば、従業員のワーク・エンゲイジメントに影響する要因としては、仕事の意義や上司・同僚との人間関係などが想定できます。こうした、日々の業務とより直接的につながる要因の方が、福利厚生を提供するよりも、ワーク・エンゲイジメントを高める効果が強い可能性があります[12]。
提供時に注意すべき点とは
効果の過大/過小評価
ここまで、企業による福利厚生が、企業と従業員のそれぞれに及ぼす効果を紹介してきました。それらを踏まえて、最後に、福利厚生を提供する側が、どのような点に注意するべきかを考えていきます。
まず、福利厚生の提供することの効果を、過大評価、あるいは過小評価していないかを確認するべきということです。過大評価してしまう可能性は、従業員への効果が一貫していない点から指摘できます。福利厚生を提供するだけで、従業員への良い効果が必ずもたらされるわけではありません。以降で紹介する注意点などを参考に、提供する内容を検討したり、丁寧に対応することが求められます。
逆に、福利厚生の効果を過小評価する可能性については、企業側としてのメリットを検討した研究から指摘できます。企業としての成長や、従業員のリテンションという点では、確かな効果が確認されています。一方で、人件費の削減という目的で、福利厚生を見直す動きは国内外に見られます。そうした決断をするうえでも、「なぜ効果が得られないのか」という点は再考することが重要と言えます[13]。
時流・ニーズを捉えた提供内容
次に、提供している福利厚生が、時流・ニーズに沿った内容になっているか、という点です。コロナ禍を経て、従業員が企業に期待する福利厚生の内容が変化していたことを紹介しました。世界規模、歴史的なパンデミックであったことから、「仕事だけでなく生活も重視する」という従業員の認識に変化が起きたことは、今後もしばらく影響が残ると考えられます。そうした点を踏まえ、時流に併せて変化する、従業員のニーズにあった福利厚生を提供できているか、という点は、常に確認することが求められます。
上記の観点で確認することが有効だといえるポイントが2つあります。1つ目のポイントは、提供する福利厚生のバリエーションです。提供する種類に偏りが生じてしまう場合、従業員のニーズに応えられない可能性があります。例えば、各種保険制度や休暇制度に加えて、健康促進に関わる活動の補助を行うことも効果が期待されます[14]。
2つ目のポイントは、ジェンダーの観点です。ある研究[15]では、女性従業員[16]の方が福利厚生の恩恵を受けており、その理由として、企業・社会的なジェンダーが影響している可能性を指摘しています[17]。雇用、賃金、育児など、福利厚生はジェンダーとの関連が強い分野ともいえるため、どのようなニーズがあるのか、という観点で、是非確認することが重要だといえます。
「利用できない」従業員への配慮
最後に、当該の福利厚生を「利用できない」社員に、どう対応をできているか、という点です。どのような福利厚生にも、条件に該当しないことで利用できない従業員が、一定程度の割合で存在するといえます。そうした場合に、従業員側が不満を感じたり、不服を申し立てるケースが予想されます[18]。
こうした背景を踏まえると、近年増加傾向にある、従業員が自分で福利厚生を選べる「カフェテリア・プラン」の普及は、理にかなっているといえるでしょう。ニーズに合った福利厚生を受けることができれば、不満自体が生じにくいだけでなく、従業員個々人の満足度が高まることで、各種のポジティブ効果につながることが期待できます。
福利厚生に関する従業員の不満を予防する施策に加えて、そうした声に応えようとしているか、という企業側の姿勢も重要だと考えられます。提供する福利厚生の内容を変更するのには大きな負荷がかかりますし、カフェテリア・プランを導入していたとしても、全てのニーズに越えられる選択肢が用意できていない可能性もあるからです。
例えば、特定の部署で福利厚生に関する要望を集めたり、「従業員のニーズに応じて内容を変更している」と通達するなどの方法が考えられます。あるいは、組織サーベイの内容を工夫することで、従業員のニーズを把握する方法も考えられます。福利厚生の満足度を尋ねる項目を設けて、従業員の声を直接集めたり、ワーク・ライフ・バランスに関する項目を設けて、潜在的なニーズを検討する事もできるでしょう。
脚注
[1] Li, X. (2023). Employee Benefits and its Impacts on Business Performance-A Systematic Review. SHS Web of Conferences. https://doi.org/10.1051/shsconf/202317003021.
[2] 初の福利厚生としては、作業場の環境整備や、住居・食事・保険に関する施設の整備などが提供されたようです。詳細は右記の資料を参考ください;福本 恭子(2013).戦前における紡績業従事者の福利厚生――先進的な企業の取組み―― 経営研究, 64(2), 49-65.
[3] 本文の例は、「法定福利費」と「法定外福利費」の定義に示された内容を元に作成しています。厳密な区分や詳細については、右記資料を参照してください;一般社団法人日本経済団体連合会(2020)第64回福利厚生費結果報告 2019年度(2019 年 4 月~2020 年 3 月)
[4] たとえば、報酬と福利厚生が仕事の満足度に関連していると答えた割合が9割を超え、転職を意図して他の企業を探す理由になると応えた割合も約3割に上るという報告もあります。詳細は、右記の論文で参照ください;Shtembari, E., Kufo, A., & Haxhinasto, D. (2022). Employee compensation and benefits pre and post COVID-19. Administrative Sciences, 12(3), 106.
[5] Zhang, O., & Xue, Y. (2023). Employee resignation study in Fairfax County. Journal of Emerging Investigators. https://doi.org/10.59720/22-141.
[6] Yoon, J., May, K., Kang, J., & Solomon, G. (2018). The impact of emotional self-management on benefit offerings and employment growth: an analysis of the fastest growing businesses in the United States. International Entrepreneurship and Management Journal, 15, 175-194.
[7] 8つの各福利厚生について、提供している場合は「1」、提供していない場合は「0」として得点を与えました。つまり、福利厚生の1つも提供していない企業は0点、最大では8点となる、疑似的な要因(ダミー変数)に置き換えることで効果を検討しています。
[8] Yamamoto, H. (2011). The relationship between employee benefit management and employee retention. The International Journal of Human Resource Management, 22(17), 3550-3564
[9] 具体的には、従業員が育児休暇や介護休暇を取りやすくするための施策をどの程度取っているか、という測定方法を用いています。
[10] Li, X. (2023). Employee Benefits and its Impacts on Business Performance-A Systematic Review. SHS Web of Conferences. https://doi.org/10.1051/shsconf/202317003021.
[11] Bedarkar, M., & Pandita, D. (2014). A study on the drivers of employee engagement impacting employee performance. Procedia-Social and Behavioral Sciences, 133, 106-115.
[12] 実際、 Li, X. (2023)によって取り上げられた論文でも、ワーク・エンゲイジメントに対して、福利厚生からの効果がなかった半面、自身の仕事のパフォーマンスやトレーニングを受けていることなどが影響することが確認されています。詳細は右記の資料を参照ください; Asri, D. H., & Liani, J. (2022). Analysis of the Effect of Employee Engagement Mediated Human Resources on Developer Companies in Batam City. International Journal of Social Science and Religion (IJSSR); 2022: Volume 3 Issue 3; 381-402 ; 2746- 086X ; 2723-5920 ; 10.53639/Ijssr.V3i3.
[13] 「周知の不足によって利用されない/満足度が上がらない」という、盲点ともいえる原因にもあるかもしれません。福利厚生の利用率に注目した研究では、約4割にも上る従業員が、自社の福利厚生に何が含まれているのかを知らされていないという結果が報告されています。詳細は右記の資料を参照ください;Shtembari, E., Kufo, A., & Haxhinasto, D. (2022). Employee compensation and benefits pre and post COVID-19. Administrative Sciences, 12(3), 106.
[14] Radzi, N. A. M., Hasbollah, H. R., Normaizatul Akma, S., Hashim, H., & Ali, A. F. M. (2020). Wellness, Work and Employee Assistance Programs as Part of CSR Initiatives Among the Corporate Companies. Palarch’s Journal Of Archaeology Of Egypt/Egyptology.
[15] 企業として従業員の健康促進を促進する意義については、右記の資料に詳細があります;Galanaki, E. (2020). A hidden deterioration in equal pay achievements? The case of employee benefits during the Greek recession. Gender in Management: An International Journal, 35(5), 423-444.
[16] 当該論文が指す「女性従業員」とは、企業の報告に基づき統計局に集約された「性別」に基づいているため、性自認の観点を踏まえていない可能性は残ります
[17] 具体的には、女性従業員の方が男性従業員よりも元来給与が低い傾向から、追加給与によって恩恵を受けることや、家庭での役割の多くを未だに女性が担っている現状から、働き方の多様性を認める恩恵を受けやすいことが報告されています。
[18] 例えば、アメリカでは行われた調査では、企業側が育児のために施設の準備や支援金を出すことが元来期待されてきたものの、近年はその人気が下がっている実態を報告し、従業員からの不満につながるリスクを指摘しています。詳細は右記の資料を参照ください;Crosgrove, D., Wedding, D., Zugelder, M., & Blandford, K. (2023). Childcare Assistance Not a Major Draw for Most Employees. American Journal of Management. 23(4), pp13-22.
執筆者
黒住 嶺 株式会社ビジネスリサーチラボ フェロー
学習院大学文学部卒業、学習院大学人文科学研究科修士課程修了、筑波大学人間総合科学研究科心理学専攻博士後期課程満期退学。修士(心理学)。日常生活の素朴な疑問や誰しも経験しうる悩みを、学術的なアプローチで検証・解決することに関心があり、自身も幼少期から苦悩してきた先延ばしに関する研究を実施。教育機関やセミナーでの講師、ベンチャー企業でのインターンなどを通し、学術的な視点と現場や当事者の視点の行き来を志向・実践。その経験を活かし、多くの当事者との接点となりうる組織・人事の課題への実効的なアプローチを探求している。