2020年12月1日
人事ビッグデータの分析|サトーホールディングス様
創立10周年、誠におめでとうございます。弊社が「三行提報」という全社員参画型提案制度の活用可能性に関してビジネスリサーチラボ様のお力を借りるようになったのは2年前のことですが、この2年間、アカデミックそして実務の両面から常に貴重なインプットをいただき、我々の思考の羅針盤になってくださったことを心より感謝しております。弊社の「三行提報」は約40年前にスタートし、1年で40万件以上蓄積される「ビッグデータ」です。我々は「この膨大なデータを人財開発に活用できるのでは?」と思い、様々なトライを重ねてきましたが、なかなかうまくいかず、困り果てていた時に出会ったのがビジネスリサーチラボ様でした。
伊達様と神谷様は、弊社がどんな課題を持ち、三行提報の人財開発への活用によって何を目指しているのかを丁寧にヒアリングしてくださり、時には学術的なインプットで我々の頭の整理をしてくださいました。データ分析も結果が出るまでの過程を明らかにしてくださると同時に、インタビューといったデータ以外の要素も織り込んで、多角的な視座を与えてくださったことは、今後の我々の人財施策立案の大きな財産となりました。
我々がお二人から得たものは大きく、今後も様々な場面で貴重なご教示をいただければ幸いです。いつも知的刺激を与えて続けてくださっているビジネスリサーチラボ様の今後のますますのご隆盛をご祈念申し上げます。本当におめでとうございます。
サトーホールディングス株式会社
高度専門職(エグゼクティブフェロー)
グローバル人財開発室長
江上茂樹 様
企業内には多くのデータが保管されています。それらのほとんどは日の目を見ないままの状態にありますが、上手く分析・考察することができれば、人事施策を検討する上で示唆を得ることができます。
三行提報という良質なデータから多角的な含意を引き出したのが、サトーホールディングス株式会社のプロジェクトでした。本件が特にエキサイティングだったのは、江上様の実績に裏打ちされた実践知と弊社の提供した研究知が、打ち合わせの場で鮮やかに衝突し、新たな気づきが連続的に生まれた点です。
ピープルアナリティクスという言葉がHR業界に浸透し始めている中、膨大なデータ、地に足のついた実践知、頑健な研究知が融合した稀有な成功事例になったのではないかと思います。それに、とにかく楽しいプロジェクトでした。
株式会社ビジネスリサーチラボ
代表取締役 伊達洋駆
「三行提報」という膨大なテキストデータには、同社の歴史や文化の歩みが随所に織り込まれていました。提報のなかで繰り返し登場する言葉や文脈のそれぞれに、組織として重視しているコンセプトや、サトーのなかで働く社員の明確な意志や仕事観を感じ取ることができました。
もっとも興味深かったのは、同社のなかで革新的な変化を生み出し、事業を立ち上げたある社員の「三行提報」でした。彼の残した膨大なテキストデータに埋もれながら、彼の思考や視点を追いかけていく作業はきわめて愉しいものでした。行く先の見えぬなかで悩みながらも、強い創意によって事業を切り拓いてく彼の軌跡は、仕事とは何か?を改めて見つめ直させるような衝撃がありました。
私たちは「ビッグデータ」と呼ばれるものに対して、ロジカルで客観的で機械的なものであるかのように意味づけてしまうところがあるのかもしれません。このプロジェクトは、そのような表層的な認識に対して「否」を提示するものであったと感じています。データとは、丁寧に扱えば人を映すものになりえることを教えてくれたプロジェクトでした。分析担当者としても、コンサルタントとしても、非常に良い機会を頂いたことに誠に感謝しています。
株式会社ビジネスリサーチラボ
フェロー 神谷俊